まずドルを買います。それからユーロを買います。両ポジションを合わせると、結果的に強めの円売りになっていて、円の独歩高が訪れるとき、大きく負けてしまいます。とても基本的なことですが、ドルの買いは円の売り、ユーロの買いは円の売りでもあるわけです。

言葉で書くと、ややこしく感じられるかもしれませんが、こんなふうに考えてみるとよいかもしれません。ドルとユーロと円とを組み合わせて、利益を追うポジションは、以下のような制約を満たす必要があります。

ドル + ユーロ + 円 = 0

ドルとユーロを買ったら、その分だけ円の売り。ユーロと円を買ったら、その分だけドルの売り。ドルと円を買ったら、その分だけユーロの売り。この制約を満たす任意のポジションは、もちろん二つの交換レートを組み合わせて、つくり出すことができます。

為替にかかる見通しは、必ずしも交換レートの形をしていません。例えば金利や物価、経済の状況は、三者三様です。だとすれば三つを別々に考えて、それから交換レートを持つ形について作戦を練ることが、自然な場面も少なくありません。

そうして考えつつ、いろいろと試してみた後に、またボヤっと本能的なトレードに戻るとき、それまでよりも円のリスクについて意識されているかもしれません。「ドルだけ」取引するときにも、それが二つの通貨の「交換」であることが意識されているかもしれません。

もちろん間違いなく、きっと強くなっています。利益を取るにも、生きていくにも。

WRITER

野口能也|@equilibrista
有限会社(オキシスタジオ)代表。社内に調査室を設け、投資とリスクに関するコンサルティング業務を行う。主要顧客はこれまでに、国土交通省、JP Morgan、星野リゾート、マネックス証券等。投資とリスクに関する知識を一般に広げることで、ビジネス環境の効率を高め、豊かな社会の実現に寄与することを目指す。

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